茶箪笥の奥

メモ置き場

明日ちゃんのセーラー服 7話 備忘録

良い回でした。

 

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教室の扉を開けるカットとギターケースのファスナーを閉めるカットが同じカメラポジションで描かれている。

どちらも蛇森さんの心情のメタファー的に挿入されているカットですが、ファスナーを閉める方が秒数が少なくスピード感があります。
木崎さんの演奏を聴いたことによる焦燥が強調されているように見えます。

 

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このカットの芝居も良い。
蛇森さんが「ホントはギターなんて弾けない」と告白するところですね。

ゆっくりと動き始め、やや早歩きで小路から遠ざかる。
作画カロリー的に普通は止め絵にするカットだと思うのですが、動きがあることによって生々しさが際立っています。
蛇森さんの、葛藤や羞恥などがミックスされたとりとめのない感情がダイレクトに伝わってくるようです。

このカットに限ったことではないですが、重心を意識したリアルな歩き方が良いですね。

 

 

ストーリーについて。

ギターの弾けないギター少女蛇森さんが、小路の勘違いによりギターの練習を始める。

ちょっとした虚勢から日常が崩れ、変化していくというのは王道パターンですが、その変化の過程がとにかく丁寧。

今回のメインである3人の心境の変化が、20分間に詰め込まれています。

 

小路

相変わらず無自覚に影響を与えまくるトリックスターですが、今回は同時に周りからの影響を受けやすい側面も描かれていました。
Aパートの「音楽かー、それもいいかも」「お姉ちゃん集中して!」というやり取りは、彼女の移り気を端的に表現していますね。
最終的には、木崎さん蛇森さんの演奏を聴いたことにより、演劇1本で頑張る決意を固めました。

 

蛇森さん

小路に日常を壊された人。
見栄っ張りだけどなかなか一歩を踏み出せないキャラクター。
小路や戸鹿野さんの努力する姿にあてられ、弾き語りまで至ります。
弾き語りシーンのラストで声が上ずるのがリアル。

 

戸鹿野さん

バスケ部の人。蛇森さんのルームメイト。
Aパート時点では若干諦観ぎみにも見えますが、体育館裏での会話により、完璧に見える小路も地道な努力を重ねていることに気づきます。
フリースローのシーン、AパートとBパートでは表情が全く違います。

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3人の関係性が素晴らしい。
スパダリ的に描かれがちな小路も、蛇森さんや戸鹿野さんから感化されているという構図が良い。

 

 

絵コンテ・演出はMoaang氏。
ワンダーエッグ・プライオリティ3話の階段での戦闘シーケンスの方として記憶していました。海外の方らしい。

単話の絵コンテ・演出は今回が初めてだそうです。

作監は川上大志 氏。CloverWorks所属のアニメーター。本作のサブキャラクターデザイン。