『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』ブルーレイ発売おめでとう記念ブログ。
今回ブルーレイで改めて観て、タイトルのシークエンスがとてもよかったのでつらつらと書いていきたい。
映画館では、後半のレヴューが強烈すぎたせいであまり印象に残らなかったけど、前半もかなりクオリティ高いんだなぁと改めて思った。
華恋の中学生時代(3年前)の回想シーン。
同級生男女7名(華恋含む)でファストフード店で修学旅行の予定を立てている。
歌劇のレッスンの時間になり、華恋が店から出ていく。という場面です。
華恋がトレイを持ち上げるカット。
斜めに持ち上げていて、皿やジュースが傾いている。
慌てている時はついこういう持ち方をしてしまいがち。
急いでレッスンに行きたい華恋の心情が視覚的に分かる表現。
ネクタイが少しだけ椅子に引っ掛かってから垂れ下がる動きもいい。
ゴミ箱の位置を確認するために、一瞬だけ奥を向く芝居が細かい。
ゴミを入れる仕草。まず皿を持ち上げ、敷き紙とジュース、おしぼりの袋を一気にゴミ箱に捨てている。
ジュースの蓋とストローを分別していないのはなぜなんだろうか。実はすべて紙製だったりするのか。それにしたってジュースの氷はどうなったのか。全部飲んだのか。
忘れがちだけど、華恋はかなり大雑把でマイペースな性格。それを表現するためかもしれない。
階段の手前でいったんスピードを落とす。リアリティのある動き。
踊り場で友人と鉢合わせ。
鉢合わせのタイミングで、2階からのショット→1階からのローアングルのカット割り。
友人の邪魔にならないようすぐ踊り場の隅に寄る華恋。
友人は右足と左足が別の段で止まっている。
トレイを持っている状態でそれは不安定、というか危ない。
姿勢を安定させるため、一呼吸入れて左足を一段上げる。
さりげないけど、同じ状況だったら自分たちも当然そうなるよね、となる良い芝居。
友人を振り返りつつ階段を降りる華恋。
階段を降りる動作だけでもかなりの作画カロリーなのに、下を確認したり、立ち止まったりと綿密な芝居づけがうまい。
スカートやネクタイのちょっと大げさな揺れ方もいい。
プリーツの立体感、たまんないですね。
店外へ。
足だけのカット。地面を映すことで雨がどれほど降っているのか分かりやすい。
もぞもぞと足を動かし、折り畳み傘をチラ見せ。
ロングショットで折り畳み傘を開く作画。
細かい! ここまで折り畳み傘に熱意があるアニメ、あまり見ない気がする。
難しそうなカットなのに、これをロングでやっているのもすごい。
このシークエンス、階段が2回登場する。
ファストフード店での階段を降りるシーン。
屋外の歩道橋を昇ろうとしているシーン。
この後に挿入される下の歩道橋の上でのカット。
このカットに合わせ、下記の友人のセリフが入る。
「すごいよー、舞台の華恋。歌もダンスもめっちゃくちゃうまいの。」
このセリフにより、歩道橋が舞台のように見えてくる。
「友人たちとの時間から抜け出し、舞台へ向かう華恋」のメタファーではないだろうか。
友人たちは舞台の華やかさを語っているが、この歩道橋は悪天候。決して華やかとは言えない。むしろ、ファストフード店の方がキラキラしているような気がする。
華恋の舞台やひかりに対する複雑な感情や迷いが現れている、印象的なカットです。
結論
『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』観ろ。